富士登山で酸素缶は必要?高山病対策に頭痛薬は?

富士登山では、人間であれば誰でも必ず、程度の差こそありますが高山病にかかります。

3000メートル級の山に登り慣れている人なら、体が低い気圧にすぐ順応するので症状も非常に軽く済みます。

が、普段登山をしない人が、初めて富士山に登るのであれば、高山病にかかる確立は100%。

高山病といっても、軽度であれば「妙に疲れるし息切れするなあ・・・」ぐらいですが、重症であれば死に至ります。

そこで疑問に思うのは、富士登山で酸素缶は効果があるのか?ということ。

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ヒマラヤ登山では酸素ボンベを背負って頂上アタックをしたりしますが、あれと同じように酸素缶で酸素を補給すれば高山病の頭痛も大丈夫でないの?という疑問ですね。

右の写真の様に、私はヒマラヤの経験もある元・登山家なので、お答えしましょう。

富士登山に酸素缶は必要?不要です!

結論から言えば、富士登山に酸素缶は必要ありません。

例えばエベレスト登山の頂上アタックの場合、アタックキャンプ出発から帰着までに、容量1,200リットルの酸素ボンベを2~3本使い、10数時間をかけます。

しかし酸素缶の容量はせいぜい5リットル程度。1回2秒の噴射で50回程度使用可能(=合計2分程度)となっていますが、酸素はカロリーなどと違って体に蓄えられることはないので、吸ったその瞬間しか効果はないのです。これでは医学的な見地から見ても、気休めにもならないレベルです。

著名な高所登山家の谷口ケイさんもおっしゃっています。

富士登山でも酸素を使う人がいる。酸欠対応にはある意味非常に有効だ。だから高所登山に酸素ボンベが欠かせないわけだけれど、高山病患者への対応としてはその場しのぎでしかないとも言える。例えば、血中酸素濃度の値が60%の人に酸素吸入をしたら15分程で85%に上げることもできるが、酸素が切れた途端に一気に50%に落ち込んだりしてしまう。これはショック症状も引き起こしかねない、危険な反応だ。
つまり、酸素吸入は高山病の症状を改善することにはならない。ヘリレスキュー、もしくは人力での搬送によって高度を下げ切るまでの間をもたせるために利用するものと考えた方が良い。
高度障害者への対処は高度を下げること(加圧すること)に尽きる。

http://www.gendarme.org/cgi-bin/ita/ita.cgi?CONF=kei?DISP=1154915241

また、酸素含有サプリメントや酸素含有飲料の類は、輪をかけて高山病の予防や対策への効果はありません。

強いて言えばプラシーボ効果はあるでしょうが、大げさに「富士登山に最適」とか謳っているのは、モラル的に???と感じざるを得ません。

富士登山の高山病に頭痛薬は?

富士登山の高山病で最も顕著な症状が、頭痛です。酸素不足が原因で現れます。

では高山病による頭痛で頭痛薬が効果を発揮するか・・・というと。

多少は頭の痛みを軽減する効果はあるかと思います。しかしそれはあくまでも、その場しのぎの対症療法でしかありません。

高山病というものは、「高度を下げる」しか根本的な回復の方法はありません。頭痛薬でその場しのぎをしてさらに高度を上げる(頂上を目指して登り続ける)ことは、高山病をさらに悪化させることになり危険です。

耐え難いほど頭痛がひどくなったら、迷うこと無く即下山。5合目の駐車場あたりまで降りてくれば、嘘のように症状はなくなるはずです。

富士登山の高山病対策

高所への根本的な対策はありません。人間であればだれしも、3000メートル超の高い所へ急に登れば症状が出ます。

高いところに何度も登っている人なら体がすぐに順応しますが、普段山を登らない人が富士山に行けば、テキメンです。

ただ高山病は体調が悪い時ほどなりやすいので、登山の前日には十分な睡眠をとること、普段より多めに水分を取ることを心がけること、が大切です。

重ねて言いますが、高山病は高度を下げる=登山を中止にして山を降りることしか、根本的な対策にはなりません。

一度高いところの気圧の低さを経験すれば、次に行くときは順応がしやすくなります。ですから調子が悪ければ無理をせず、次の機会にゆずりましょう。

富士山は逃げない、またいつでも来ることができるのですから、体調不良に悩まされながら昇るより、次の機会に気持よく登山をしたほうが断然良いです。

まとめ

富士登山は老弱男女、多くの人が楽しめるポピュラーな山ですが、実は標高が高いゆえの、他の山にはない危険もはらんでいます。

そのことを十分に頭に入れて、世界遺産の山を楽しんでください。

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